個人が保証人になるとき、「元本確定期日(がんぽんかくていきじつ)」という言葉が出てきます。これは司法書士試験でもよく問われる大事なキーワード。でも、なんだか難しそう…と感じる人も多いのでは?
この記事では、元本確定期日とは何か?なぜ必要なのか?という基本から、司法書士試験に出る条文の読み方、よくある勘違いまで、やさしく解説していきます。
そもそも個人根保証契約ってなに?
まず「個人根保証契約」から説明しますね。
たとえば、あなたの友人が会社を起業するときにお金を借りるとします。そのとき、「もし返せなかったら、私が代わりに返しますよ」とあなたが保証する。これが「保証契約」です。
このうち、「継続的に借りたり返したりする取引(たとえば会社の借金)」をまとめて保証するのが「根保証契約」。そして、保証人が「個人」だったら、それが「個人根保証契約」です。
元本確定期日ってなに?
簡単に言うと、「この日までに発生した借金についてだけ保証します」と線を引く日です。
保証人の立場からすると、
- 「いつ終わるかわからない保証」だと怖い
- だから「○年○月○日までの借金しか保証しませんよ」とあらかじめ決めておく
というルールです。
このルールは、法律(民法465条の2)で決まっています。
決めないとどうなるの?
元本確定期日を決めなかったら、その契約は「無効(=最初からなかったことになる)」です。
つまり、保証契約そのものが無効。せっかく契約書を作っても意味がありません。司法書士試験でもここは頻出ポイント!
延長してもOK?元本確定期日の変更について
たとえば、もともと「2025年12月31日まで」と決めていたとしても、
「やっぱりもう少し延ばして、2030年12月31日にしよう」と変更することもできます。
でも、ここで注意!
【民法465条の2 第3項】というルールに注目!
元本確定期日を変更するなら、「変更後の確定期日から5年以内に確定しないと無効」になります。
つまり…
●例で確認!
- 2025年12月31日 → 最初の元本確定期日
- 変更して2030年12月31日にした
- でも2036年1月1日になっても確定しなかった
→ この保証契約は効力を失います!
試験で問われやすいポイント
司法書士試験では、このあたりがよく出ます!
【問題例】
Q:個人根保証契約で元本確定期日を決めなかった場合、その契約は有効か?
→ 答え:無効(✕)
よくある勘違いQ&A
Q1. 元本確定期日は「大体このくらいで…」でもいい?
→ ダメです。具体的な年月日を契約書に書かないと無効です。
Q2. 延長した元本確定期日は、また延ばせる?
→ 一応延ばせますが、常に「5年以内に確定」しないとダメです。
Q3. 元本確定期日を過ぎたら、どうなるの?
→ その日以降に新しく発生した借金は保証の対象外になります。
勉強のコツ:条文の「数字」に注目!
民法465条の2の中でも、「5年」というキーワードは超重要です。
- 元本確定期日は「5年以内に確定」
- 延長しても「5年以内に確定」
とにかく「5年以内にケリをつけないとダメ!」というイメージを持ちましょう。
まとめ:元本確定期日=保証のリミット!
司法書士試験では、条文の細かい言い回しに惑わされず、「何がどうなると無効になるのか?」をハッキリ理解しておくことが大事です。
おさえるべきポイント
- 元本確定期日を決めなければ無効
- 決めたら「5年以内に確定」が必要
- 変更したら、その変更後の日から5年以内に確定しなければならない
この3つをおさえれば、関連問題はほぼ対応できます。
個人根保証契約は、実務でも頻繁に出てくるテーマ。しっかり理解して、試験でも本番でも自信を持って対応できるようにしましょう!