今日の一言

【司法書士試験対策】法の下の平等とは?民法における性別・出生による差別と違憲判決を徹底解説!

こんにちは、今回は憲法の中でも特に司法書士試験で頻出のテーマ「法の下の平等」について、民法に関係する具体的な違憲判決とその理由をブログ風にわかりやすく解説していきます!

民法には、かつて女性や非嫡出子に対する差別的な規定が存在していました。今はすでに改正されていますが、これらの規定が違憲と判断された背景を理解しておくことは、司法書士試験において非常に重要です。

この記事では、

  • なぜ旧民法733条(女性のみ6か月間の再婚禁止)が違憲とされたのか
  • なぜ旧民法900条4号但書(非嫡出子の相続分が半分)が違憲とされたのか
  • 各判例のキーワード、使える論点
  • 試験での覚え方・出題対策
    を詳しく紹介していきます。

そもそも「法の下の平等」って何?

まず、基本となる憲法14条1項を確認しましょう。

「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」

つまり、国民すべてが、法律の適用において平等に扱われるべきであり、性別や出自などによって不合理な差別を受けてはいけないということです。

ただし、「すべての違いが差別になるわけではない」というのがポイントです。合理的な理由があれば、ある程度の区別は許されます。その線引きが、違憲審査基準であり、司法書士試験でも狙われるポイントです。

女性だけに6か月の再婚禁止?(旧民法733条)

どんな規定だったの?

旧民法733条では、女性に対して「離婚後6か月間は再婚できない」と定められていました。

目的は、「妊娠していた場合に、前の夫と再婚相手、どちらが父親かを判断できるようにするため」。つまり、父性の重複を防ぐための規定でした。

一見合理的にも思えますが…

問題はどこ?

・父性の重複が問題になるのは、離婚から100日以内に生まれた子どもの場合

・つまり、それを超える期間の再婚禁止に合理性はない

・しかも、男性には制限がない=性別による差別では?

最高裁の判断(最大判 平成27年12月16日)

最高裁は、この規定のうち「100日を超える部分」は、性別を理由とする不合理な差別であるとして、違憲と判断しました。

つまり、目的(父性の重複防止)は理解できるが、手段(6か月という長さ)がやりすぎだった、ということです。

現在は民法改正により、女性の再婚禁止期間は「100日」に短縮されました。

非嫡出子の相続分が半分?(旧民法900条4号但書)

どんな規定だったの?

かつての民法では、非嫡出子(結婚していない両親の子)の相続分は、嫡出子の半分とされていました。

この背景には、「婚姻制度を尊重する」「家制度の名残」などがありましたが、現代社会においてはかなり不自然な規定です。

なぜ問題なの?

・非嫡出子の出生は本人の選択ではない

・それにより相続で不利益を受けるのは不公平

・婚姻外の子=劣る存在というメッセージになってしまう

・国際的にも批判の声が強くなっていた

最高裁の判断(最大判 平成25年9月4日)

この規定について、最高裁は次のように述べました。

「個人の尊厳にかんがみて、婚姻関係の有無により子に不利益な取扱いをすることは許されない」

明確に違憲と判断され、相続分の平等化が実現しました。

司法書士試験での覚え方と対策

司法書士試験では、単なる暗記ではなく「なぜ違憲なのか」「どこまでが合憲か」が問われます。以下のポイントを意識しましょう。

ポイント1:目的と手段のバランス

  • 再婚禁止→目的は正当だが、手段が過剰(100日超過部分)
  • 相続分差別→目的そのものが不合理になっている

ポイント2:キーワードを押さえる

  • 「父性の重複の防止」
  • 「本人の選択できない事情」
  • 「不合理な差別」
  • 「個人の尊厳」

これらのワードは答案作成や選択肢の正誤判定で非常に重要です。

ポイント3:現在の民法との違いも確認

  • 再婚禁止期間→100日に短縮
  • 相続分→嫡出子・非嫡出子ともに同等

これを知らないと、現行法と混同してしまうおそれがあるので注意!

よくある質問(FAQ)

Q. 性別による区別ってすべて違憲になるの?

→いいえ。目的が正当で、手段も合理的であれば合憲です。ただし、性別に基づく制限には厳しい審査がされます(厳格審査)。

Q. 旧法と改正法の違いをどう覚えればいい?

→「何が問題だったのか」と「今はどうなっているのか」をセットで理解すると覚えやすいです。判決年も一緒に押さえましょう(再婚禁止→平成27年、相続分→平成25年)。

Q. 他にも違憲とされた民法規定はある?

→この2つが代表的です。特に旧家制度の名残に関わるものは要注意です。

まとめ:差別的な民法規定が違憲となった理由を理解しよう

いかがでしたか?

司法書士試験では、「法の下の平等」に関する判例を単に覚えるだけでなく、「なぜその規定が違憲とされたのか」「何が問題だったのか」を理解しておくことが重要です。

・旧民法733条 → 女性の再婚禁止期間 → 一部違憲(100日超え)

・旧民法900条4号 → 非嫡出子の相続分 → 全体が違憲

この2つは、必ずと言っていいほど出題される論点なので、過去問・模試・テキストで繰り返し確認しましょう。

そして、覚えるだけでなく、自分の言葉で説明できるようにしておくこと。それが合格への近道です!

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